1990年-2003年

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新たな時代の新たな方向性

前CEOエリック・スプランク-ジャンセンが1987年に入社して、ルンドベックのダイナミックな企業への変貌はさらにスピードを増しました。彼は、ウェスタン・グリーンランドのマーマリリク、ウマナークで炭鉱を運営していたGreenex A/S社で、社長として成功を収めていましたが、鉱石が枯渇し、同社は1987年に売却されました。彼は年に一度、グリーンランド議会においてグリーンランドの国民総生産の半分を占めるGreenexについて簡潔に説明し、グリーンランドの指導者としてふさわしいことを証明してきました。
ルンドベック入社からまもなく、スプランク-ジャンセンは、当社の新製品マーケティング活動が効果的でなく、経営陣内部の不和を引き起こし、利益が激減していることに気がつきました。1987年予算の黒字は僅か1600万デンマーククローネであり、税引き後利益は200万クローネに過ぎませんでした。1966年以降、新薬の開発はまったく着手されていませんでした。製造、研究担当取締役たちは、毎日のように言い争い、「ルンドベック社製品はその魅力で自ずと売れていく」と信じ込み、マーケティングなど手をつけようともしませんでした。

 
CNSに焦点を

スプランク-ジャンセンは、直ちに取締役間の関係を修復し、マーケティングの重要性を訴えました。また、ルンドベック社製品ラインナップを広く扱ういくつかの海外子会社の支配人を含め、初年度で100人以上の社員を解雇しました。
彼は雑貨店の店主になったような気分でした。牛の乳首用の軟膏は主力商品であり、1970年代末まで室内用スリッパも販売していました。スプランク-ジャンセンは、中枢神経系統疾患治療薬のスペシャリストとしてルンドベックを再び位置づけ、1990年代初頭を通じて、組織や研究、商品のラインナップを妥協することなく着実に改革していきました。

 

ハッピーピル

ルンドベック社の製品ラインアップにおいて最も有望だったのは、1940年代に化学者であるパヴロ・V・ピーターセンが開始した精神薬理学的研究でした。ピーターセンは、研究責任者として中枢神経系統疾患治療薬の基礎を築きました。これが現在の当社の専門分野となったのです。
そして、Cipramil®という製品に大きな期待が寄せられました。この薬は、1980年代にルンドベックが独自に行ったうつ病研究の成果として開発されました。うつ病は、一般的に広くみられる精神疾患ですが、深刻な場合には一生治らない可能性もあります。一部のジャーナリストが「ハッピーピル」と呼んだCipramil®は、効果的で、服用が容易でした。また他の薬と併用しても、既知の副作用がないことも重要なポイントでした。Cipramil®は、1989年にデンマークで発売され、その後、世界70ヶ国で承認されました。1990年代、Cipramil®は、ルンドベックを代表する商品となり、1999年の当社総売上の78%以上を占めていました。

 

飛躍的な成長

1990年代の製品開発により大きな成長を遂げ、ルンドベックは、デンマーク企業としては有数の年間成長率を記録しました。21の子会社を新たに設立し、マーケティング活動はより活発に行われました。売上が、1995年の18億クローネから、1999年には42億クローネに成長する一方で、研究開発費用は2億5700万クローネから、8億2400万クローネに伸びました。2000年の売上は、第一四半期だけで、13億クローネへと急伸しました。

 

ルンドベック社上場

ハンス・ルンドベックが生んだルンドベック社は、1999年6月にコペンハーゲン株式市場(KFX)に上場し、さらなる急成長を遂げました。当時資金に不足していなかったにも関わらず、上場によりルンドベックは、2000年には30社に達していた子会社の新たな買収に備えて増資しました。またこの上場により認知度が高まり、経営陣の責任は増大したものの、従業員にストックオプションという新たな報酬方法を提供することができるようになりました。

 

市場拡大

ルンドベックは、厳しい欧州市場において抱えていた多くの困難を見事に乗り越えました。さらに、米国のジェネリック製品会社Forest Laboratoriesのおかげで、僅か数年の間に、同社にとって米国は最大の市場となり、1998年9月にCelexa®の名称で、Cipramil®の販売を開始しました。Forest Laboratoriesは、自社では研究を行わず、代わりに米国における他社製品の開発、販売に力を注いでいます。

 

新たな指導者

2003年11月1日、17年間に亘り、当社の指揮に力を発揮したスプランク-ジャンセンが退職し、クラウス・ブレストロプがルンドベックの社長兼CEOに就任しました。
ルンドベック監査委員会委員長のフレミング リンデロウは、ルンドベックの新リーダーについて以下のように語りました。
「ブラーストラップが指揮をとるということは、創薬研究と製薬会社運営に広く貢献したことで高い評価を受け、また経験豊富で国際化を強く指向するCEOを擁することになります。むこう数年間は、ルンドベックにとってチャレンジとチャンスの時代であり、監査委員会は一人残らず、ブレストロプが適任であることを確信しています」
またルンドベックの成功においてスプランク-ジャンセンが果たした重要な役割について、リンデロフは以下のように語っています。
「スプランク-ジャンセンの下で、ルンドべックは50ヶ国以上に子会社を有する国際的な製薬会社に成長し、2002年には100億デンマーククローネもの収益をあげました。彼の最大の功績は、CNSに重点を置いた戦略を策定し、維持したことです。このように焦点を絞ることで、ルンドベックは抗うつ剤市場において中心的な役割を果たすようになったのです。我々は彼の素晴らしい努力に感謝しています」

 

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