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アルコール消費について
アルコールは、人類にとって最も原始的な飲み物であり、8,000~1万年前の原始時代社会から存在し、鎮静・催眠薬として分類されてきました。アルコール依存症(アルコール依存症候群、アルコール使用障害、アルコール中毒、alcoholism、アルコール乱用)は、肝臓や脳などの臓器に損傷を与える可能性のある病気と認められていますが、この病気はまた社会文化的な側面も併せもちます。アルコールの消費は、世界中で罹患率や死亡率の上昇を予防しうる最も重要な要因です。
世界保健機関によると、世界でアルコール飲料を消費する人は20億人にのぼり、7,630万人がアルコール使用障害と診断することができます。公衆衛生の観点から、罹患率および死亡率の両面において、世界中のほとんどの地域で、アルコール消費に関連する負担は相当なものとなっています。
アルコール消費は、大量飲酒のための酩酊やアルコール依存、そしてその他アルコールの生化学的影響による保健・社会的な結果をもたらします。長年にわたる大量飲酒により飲酒者に悪影響を及ぼしうる慢性疾患のほかに、比較的若年層での死、あるいは身体障害となりうる外傷を招き、その結果、人生における多大な年月を損失する結果となります。アルコール摂取量のほかに、飲酒のパターンが健康状態に関連することを示すエビデンスが次第に蓄積されつつあります。
アルコールは世界中で、食道がん、肝臓がん、肝硬変、殺人、てんかん発作そして自動車事故を引き起こす原因の20~30%を占めるとされています(WHO世界保健機関、2002年)。アルコールは180万人の死亡原因であり(全体の3.2%)、障害調整生命年数(disability-adjusted life years;DALY)でみると、5,830万人の損失(全体の4%)の原因でもあります。
不慮の事故が180万人のうちの約1/3を占め、それに対して神経精神障害は5,830万人いる障害調整生命年の40%近くを占めています。こうした負担は、各国で均等に分配されているわけではありません。アルコール消費は、死亡率の低い発展途上国における疾病負担の主な危険因子であり、先進国では3番目の危険因子となっています。1999年のヨーロッパでは、アルコール消費は15~29歳の若者55,000人以上の死亡の原因となっています (Rehm & Eschmann, 2002年) 。
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日本でのアルコール消費
日本での飲酒パターンは、ビジネスや社会生活に強く結びついており、そのために地域社会に深く根づいています。全アルコール消費量は明らかに一定量を維持していますが、全体的な傾向としては、アルコール摂取者数とアルコール依存症患者(大量摂取者)の増加がみられます。アルコール摂取者のうち、2~2.3%は“アルコール依存症患者”あるいは大量アルコール摂取者(1日当たりの純粋アルコール摂取量150ml以上)であるとされています。
「健康日本21」では、大量飲酒者は“1日平均60g以上のアルコール消費者”と定義されています。“大量飲酒者”は860万人とみられています。アルコールをまったく口にしない女性やアルコール分解酵素が欠損しているアルコール不耐性者が総人口の40~45%を占めることから、罹患率は総数で評価するべきでしょう。
若者や女性のアルコール消費も増加傾向にありますが、一方で禁酒主義者も増加しており、アルコール消費を抑制しています。つまり、アルコール摂取者がより多くのアルコールを摂取しているということです。国税庁によると個人のアルコール消費量は、年間6.5リットルと推定されています。しかしながら、禁酒主義者が多数いるため、50歳代男性などのサブグループでは年間15リットル以上ものアルコールを消費している可能性もあります。
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アルコール使用障害
WHO世界保健機関の国際分類、国際疾病分類第10版・精神および行動の障害では、アルコール依存症、有害な使用を以下のとおりに定義しています。
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依存症
アルコールを繰り返し摂取した後に出現する一連の行動、認知、生理学的な現象として、有害な結果をもたらすにもかかわらず、アルコール摂取を強く望み、制御が困難となり、摂取に固執し、どのような行動や義務よりもアルコール摂取が優先されるといった典型的な現象がみられます。こうした現象は次第に耐性を増し、時に禁断状態を呈することもあります。
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有害な使用
身体的あるいは精神的なダメージを引き起こす一因となりうるアルコール摂取のパターン(たとえば、アルコールの大量摂取に派生した抑うつ障害の発病など)
『アルコール使用障害の治療』
歴史的に、刑罰、救済、治療、特効薬、菜食主義、トニックウォーター(リンドウとカルダモンに薄めたニトロ-ヒドロクロリド)、ストリキニーネ、タラ肝油、トルコ風呂など、さまざまな形で幅広く用いられていた。1940年代後半のジスルフィラムの登場が、最初の禁酒をサポートする特異的な薬物療法でした。
今日、世界の市場では3つの薬物療法のオプションがあります。アンタビュース(ジスルフィラム)、キャンプラル(アカンプロセート)そしてレビア(ナルトレキソン)です。これら3つの承認薬は、禁酒段階の援助・サポートによるアルコール依存症の治療に用いられます。また、包括的カウンセリングまたは社会心理学的あるいは認知行動療法などのプログラムとともに使用する場合にのみ、推奨されます。この次に来る第4番目の薬(シアナミド、ジスルフィラムに似た効能を備えている)は、日本国内で使用可能です。
非薬物療法のオプションは、2001年に世界保健機関によって示されているように、『短時間介入』の形をとっています。短時間介入の効果が証明され、危険で有害な飲酒癖をもつ人たちの管理においてますます有用性を増すでしょう。それによって、初期の予防段階と、重度のアルコール使用障害をもつ患者への集中的な治療との格差が埋められるでしょう。短時間介入は、専門的な治療に応じたアルコール依存の重度度判定を促進する効果的なフレームワークをも提供しています。いくつかの文献は、短時間介入からアルコール消費に対する肯定的な効果は次第に消えていき、40~70%の患者は最初の1年以内に再び飲酒し、このプログラムが繰り返し必要となると指摘しています。
治療の最終目標としての禁酒は、長期間にわたり、さまざまな治療法によりアルコール使用障害の治療を可能にすることに主眼を置いてきました。しかし、多くの患者は助けを求めることもせず、完全な飲酒が禁止されることを懸念して治療に従いません。禁酒という目標を受け入れた患者さんでさえも、その結果は期待外れでした。長期的かつ持続した禁酒は、臨床試験で達成するのは困難であり、仮にこの禁酒に成功したとしても、1年以内に再び飲酒に陥る患者さんは少なくないのです。
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ナルメフェン
ナルメフェンは、オピオイド受容体、κオピオイド受容体、δ受容体への競合的オピオイド拮抗薬です。ナルメフェンは、いかなる抗オピオイド受容体の型に対しても重要な類似性を有しません。
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参考文献:
『国際疾病分類第10版2007年バージョン』
『アルコール依存危機に取り組む日本』進化研究と社会2003年12月5日第38巻23号
世界保健機関アルコールに関するグローバルステータスレポート2004年
Sakari Karhuvaara et al. アルコール依存治療における単純医療管理でのナルメフェン:
無作為二重盲検プラセボマルチセンター研究.アルコール依存症:臨床試験研究第31巻7号2007年7月
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